2022/10/22 11:58
コーヒーの賞味期限は2通りあると書きました。
コーヒー業界の定める賞味期限については
お読み頂きましたでしょうか?
まだであれば、
そちらを先に読まれる事をオススメします。
コーヒー業界の定める一般的な賞味期限が
1年から1年半あるのに対し、自家焙煎店の
定める一般的な賞味期限は、
豆のままでもせいぜい数ヶ月程度。
粉ならわずか1〜2週間だと思います。
この違いは何だと思いますか?
コーヒー業界の賞味期限が
空気に触れることによって起こる
酸敗を調べたものであるのに対し、
自家焙煎店の定める賞味期限は、
官能評価による味や香りの劣化を
指しています。科学的に調べた劣化ではなく、
自家焙煎店独自の主観的な劣化です。
ここまで大きな差が開くのには、
理由があります。
自家焙煎店が使用する焙煎機は、
数百gからせいぜい10kgです。
焙煎機が小さいほど、
精密な焙煎が求められることは、
知られていません。
正しい工程で、
正しい熱量で焙煎しなければ、
そもそも美味しい珈琲にならないだけでなく、
日持ちする珈琲にすらなりません。
ここに、自家焙煎店の官能評価が加わります。
コレが自家焙煎店の定める賞味期限です。
自家焙煎店の賞味期限が短いのは、
焙煎の精度が低いだけで、
焙煎の仕方が原因です。
確かに、粉にしてしまうと
空気に触れる面積が増え、劣化は早まりますが、
抽出の際に豆が膨らむか膨らまないかは、
見た目だけの違いであって、
味の良し悪しとは無関係です。
よく、煎りたて、挽きたて、淹れたて
なんて言いますが、
コレらは、焙煎が悪い事を都合良く言い換えた
自家焙煎店の販売手法でしかありません。
自家焙煎店の賞味期限は、
酸敗を調べた物ではないので、
賞味期限が切れても、
すえた様な酸っぱい臭いはしません。
ただ、美味しくないだけです。
渋いのかも知れないし
苦いのかも知れないし
酸っぱいのかも知れないし
そもそもコーヒーの味
ではないのかも知れません。
賞味期限は加工した自家焙煎店が
決めることが出来ます。
短く設定しないと劣化が酷いのかも知れないし
そもそも、劣化に対する正しい知識を
持っていないのかも知れません。
未熟な焙煎でも、賞味期限を短くして売る人も
居るかもしれません。
コーヒーの賞味期限について、
正しく知る方が増え、
焙煎が原因で捨てられてしまうコーヒーが
少しでも減ることを願っています。
#コーヒーの賞味期限